税理士三田会
HOME
税理士三田会ニュース
会員紹介
掲示板/会員専用ファイル
役員紹介
会則
入会案内
リンク集
お問合せ

コラム欄

平成17年05月13日
テーマ:「玉川温泉滞在記」
担当者:多田雄司

 去る5月6日から11日まで秋田の玉川温泉に行ってきた。玉川温泉は、その周辺から放射線が出ており、癌患者の湯治の場として知られている。東京からだと秋田新幹線の田沢湖駅で下車し、バスで約1時間の距離にある。
 友人が約10年前に癌の手術をし、その後通い出した。私自身は現在まで癌と診断されたことはないが、その友人から誘われて4年前に初めて行ってみた。昨 年はスケジュールの関係で行くことはできなかったが、今年は出発の1週間前ぐらいに行くことにした。今回で3回目だ。
 今年は例年より雪が多く、過去2回に比べて最も残雪が多かった。初日は別世界に迷い込んだ感じになったが、滞在期間中、日ごとに雪が消えてゆき、帰る日には印象として4割ぐらい減った。
 玉川温泉での宿泊施設は、「玉川温泉」のほか、「新玉川温泉」、最近できた「そよ風」、玉川温泉から自動車で約25分の距離にある「東トロコ温泉」がある。我々は、「東トロコ温泉」を定宿にしている。
 今回の参加者は8名で、そのうち4名が現在又は過去に癌と診断された人であった。「東トロコ温泉」に宿泊すると、午前8時30分にバスが迎えに来て、午後3時50分のバスで戻る生活になる。
 玉川温泉は、岩盤浴と温泉への入浴の2つを行う。天気がいい日は、それぞれ2回できるが、雨の日は岩盤浴はできなくなる(傘を持って行けば不可能ではないが、この時期はかなり寒い)。
 岩盤浴は、ゴザと毛布を持って行き、地熱が出ている岩盤に横たわって放射線を浴びて治療する。1回につき40分程度寝っ転がっているが、地熱が快く、半分ぐらいは眠っている状態になっている。
 玉川温泉は、源泉100%の湯と50%に薄めた湯の2種類があり、さらに蒸気サウナなどもある。酸性湯なので、入り続けていると皮膚炎の症状が出る。私は 体調が悪かったせいか、かなりの湿疹のようなブツブツが出た。温泉内にも放射線が出る北投石が埋め込んでいるので、放射線を浴びることができる。
 玉川温泉は、全国の癌患者が湯治に来る場所だ。今回の岩盤浴で隣り合わせた人は名古屋から来ており、医者から宣告された余命年数を3年も経過しているがまだ生きていると話してくれた。
 ただし、温泉への入浴はかなり体力を消耗する。風呂から出て休憩室までいくつかの階段を歩くが、その足取りは重く感じられた。宿舎では、毎晩午後8時には寝ていた。癌患者も体力のあるうちでないと玉川温泉には通えない。
 玉川温泉は、人間の生命力は、その人の生きようとする気力によることを実例で示してくれる場であった。

ニュース一覧に戻る    バックナンバーに戻る